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神内家の中には、重い空気が落ちていた。
二人とも、何も話し出そうとしない。
そんな沈黙がしばらく続いた後、アキラの父が動き出した。
そして、地下へと降りていった。
父が地下へ降りて行ってしばらくした後、アキラの母がポツリと呟いた。
「とうとう・・・、この日が来てしまったのね。」
グランドダッシャー・アキラ
〜偉大なる走者の伝説〜
第二話・緊急事態!
「あれー、おかしいなぁ。」
ヘレンが呟いた。
「昨日はこの辺にあったんだけど。・・・ねえ、アキラちゃんは見つけた。」
「小さいやつならたくさんあるんだけど。大きいのは全然。」
二人は「大きなきれいな石」を探しに来てかれこれ一時間になるが、全然見つかる気配が無い。
あまりの見つからなさに、痺れを切らしたアキラが言った。
「気のせいだったんじゃないの?」
その語調には少しとげとげしいものがあった。あまりの見つからなさにヘレンを疑っているのかもしれない。
そんなことを言われて、ヘレンは目に少し涙を浮かべながら言った。
「気のせいじゃないよ。ホントなんだもん。」
「じゃあ、何で見つからないんだよ。」
二人とも半分怒っていた。
そのとき、アキラはヘレンの向こう側で何かが光った気がした。
「ん?」
「どうしたの?」
「今あっちの方で何か光った気がしたんだけど。」
そして二人は顔を見合わせて、それから手をつないでそっちへ行った。
そこには一抱えほどの、巨大な発光石があった。
発光石――それは何かの力を吸収して、暗くなると光を放つ不思議な石で、都で売ればそこそこ高値がつく。
大抵のマジックアイテムの類はこれを加工して作られているので、マジックギルドの店主なら喜んで買い取るのだ。
だが、今目の前にあるのは高純度の巨大な発光石だ。都のマジックギルドで売れば家が二つ三つ買えるほどの値がつく。
もっとも、二人にはそんなことはわからないから、ただのきれいな物というだけの物でしかないが。
「きれい・・・。」
「頑張って探したかいがあったね。」
二人ともニコニコしながらその場に座り込んだ。先程までのけんかもとうに忘れているだろう・・・。
そして、発光石の放つ美しい光を見ているうちにうとうとしてきて、二人とも眠ってしまったのだった。
「んー。」
アキラが眠そうな目をこすりながら起きたのは、夕暮れ時になってからだった。
だが、それにしては妙に明るい。
辺りが妙に明るいことに気が付いたアキラは辺りをきょろきょろと見回した。
「―――!」
村の方を見て、アキラは硬直した。
燃えているのだ。村が。
「ヘレンちゃん、大変だよ!村が燃えてる!」
隣に寝ていたヘレンをゆすり起こして、アキラは叫んだ。
「え!?」
ヘレンもそちらを向いて硬直した。
「村へ急がなきゃ。・・・ヘレンちゃん。僕の背中に乗って!」
「うん!」
ヘレンはアキラにおんぶしてもらう形になった。
「しっかり掴まってて!」
そしてアキラは一陣の風となり、超高速で村へとかけていった。
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