2000字も書かれたら対抗して大量に書かざるを得ない。
という訳でMIDIについて話すことにします。
ちょっと調べれば分かるんですが、MIDIはWAVとかACCとかの音楽ファイルと違って音楽の波形データを記録する形ではなく、イベントと呼ばれたりする命令を使ってPCにプリインストールされてたり、別売りで売ってる10何万の外部セットだったり、数万前後のソフトウェアみたいな形で売られてたりする音源を適時発音させて音を出します。 で、その処理の方法が大きく分けて、チャンネルやトラックごとに発音した後全部を統合する方法と、発音タイミングに合わせてその時有効になっているイベントを発音する方法にわかれるんですが、WMP(Windows Media Player、WindowsOSのデフォルト音楽プレイヤー)は後者を採用しています。で、この方式の何が問題かというと、音が結構競合したりするんですよ。特にsynthStringsとかが起こりやすい。音の競合ってなんぞっていう人のために説明しておくと、要は音の発音の時に打ち消し合ってどっちかの音が聞こえなくなる現象です。ただ、前者の方がいいかというとそうでもない。なぜなら、普通の16チャンネルぐらいのMIDIならいいんですがSC-88とかの120いくつとかのチャンネルフルに使ってるMIDIになると処理がくっそ重くなるそうなんです。自分は持ってないんでわからないんですがね。 まあ、まずそんなMIDIお目にかからないって言われたらそれまでなんですが。ともかく、MIDIを録音するときは数チャンネルごとを小分けに録音→合成みたいな感じでやると音の無駄とPCの負荷が減りますよと言う話。(時間が数倍かかりますが。)
これだけじゃなんなので、MIDIの基礎知識みたいなものでも小出しにしていこうと思います。
べ、別にこの先数回のネタ作りサボろうってわけじゃないんだからね!!勘違いしないでよね!!
※この下でトラックと言う単語が何回か登場しますが、CDのトラックやシーケンサーソフトのトラックとはまた別のものであることをご了承ください。
今回扱うのはSMF自体についてとイベントの内のノート、プログラムチェンジ、それにコントロールチェンジの一部です。
まず、SMF自体についてですが、SMFと言うのは最も普及しているMIDIの種類です。フォーマットは大きく分けて3つあり、0は1トラックに全イベントをまとめている形式で、再生向きです。1は複数トラック(通常はチャンネルごと)にイベントをまとめている形式で、最もポピュラーです。2は1ファイルに複数楽曲を保存している形式らしいですが、マイナーらしく自分も見かけたことはありません。ファイルの構造は最初にヘッダーが来てその後にトラックチャンクが必要数だけ作られてそこに各種イベントが格納されます。ちなみに、中身のイベント同士のタイミング差は相対時間で記録されています。
さて、このイベントの中でもっともわかりやすいのが次に扱うノートイベントです。これは音の発音そのものを命令するイベントで、後述のプログラムチェンジにより決定された楽器の音程を指定するイベントです。実際はノートオンイベントやノートオフイベントなどの複数イベントから構成されているのですが、シーケンサーソフトでは全部ひっくるめて1つの単位として扱っていることがほとんどなので、全部ひっくるめて「ノートイベント」と呼んでしまいます。さて、このイベントを扱うにあたって覚えておくべき要素はノートオンベロシティー、ノートオフベロシティー、デュレーション、ノートNO、チャンネル、そしてイベント位置の6つです。順に説明すると、ノートオンベロシティーはノート開始時の音量を決定する要素で、0(min)-127(max)の数値で定義されています。ノートオフは開始時が終了時に変わっただけの要素なので割愛するとして、この数値をいじることで音の強弱の微妙な調整がある程度可能です。次に、デュレーションですが、これはそのノートイベントの長さを決定します。これは、1イベントが使用できる最小単位を1として表されます(長さは四分音符が960)。ここを弄ってスタッカートなどをより名前の演奏に近づけることができますが、トラック内でイベントBのオンの位置がイベントAのオフの位置より先になるとイベントが正常に再生されなくなるので留意しましょう。その次のノートNOですが、大抵の場合は「C4」や「D5」などのコードで表されます。大抵のシーケンサーソフトでは(意図して作成されていない限り)この形で表されるのでDTMを初めようとしている人は慣れておいたほうがいいでしょう。チャンネルについてですが、これはノートイベントに限らず各イベントに設定されている要素で、Win系OSにプリインストールされているMSGS音源では16チャンネルが用意されています。そのうちの10チャンネル(10+16×n)はドラムに割り振られています。各チャンネルは同じトラックに格納されるため、同じチャンネルのイベントはオフになるまで同時に参照されます。最後のイベント位置も他のイベントに設定されている要素です。これはその名の通り、イベントの開始位置のみを設定する要素です。(ノートの場合はデュレーションで長さが決められており、その他のイベントは長さを設定する必要がないため。)デュレーションと同じ単位で現されます。また、GM1規格(世界共通のMIDI規格)で10chで8音、それ以外のchで16音の系24音の同時発音が保証されています。
さて、次のプログラムチェンジイベントですが、余り書くことがないほど単純なイベントです。これは各チャンネルにおいてこのイベント後のノートイベントを発音する楽器を決定するイベントで、GM1規格に基づいた最低128の共通した楽器が、どの音源にも用意されています。この詳細については各自調べてもらうことにしますが、後半に成るに連れてゲテモノ(?)になります。このイベントには上のノートイベントの要素のうちのチャンネルとイベント位置、そして各楽器に対応した数値が設定されています。(128以上の楽器については後ほど)
最後に、コントールチェンジイベントですが、128枠有り全て使用されているわけではないにしろ数が多いので数回に分けて説明します。 今回説明するのはそのうちでも比較的よく使うボリュームチェンジ(No,7)、パンポット(No,10)、エクスプレッション(No,11)、そして外部音源を使うなら必要なバンクセレクトMSB(No,0)とバンクセレクトLSB(No,32)について説明します。まず、ボリュームチェンジですが、読んで字のごとくそのトラックのこのイベント後の音の大きさを決定するイベントで、0(min)~127(max)の数値で定義されます。主にトラック全体の大まかな音の大きさを決定する時に使われることが多いイベントです。次にパンポットですが、これは音を左右のどちらにより多く出力するかを決定するイベントでやはり0-127の数値で定義されており、64を中央値として値が大きくなるほど右側に大きく出力され最大(最小)の場合は右側(左側)のみに出力されます。この次のエクスプレッションですが、ボリュームチェンジで指定した範囲内でさらに音量を0(min)-127(max)の範囲で設定するイベントです。主に細かな音量調節に使われることが多いイベントです。これら3つのイベントは実はMSB、LSBと有りMSBが適用された後にLSBが適用される形で更に細かい設定が可能なのですが、今回は割愛します。最後にバンクセレクトMSB&LSBですが、これは外部音源の128以上のプログラムチェンジを扱うためのイベントです。外部音源は音を音源のバージョンごとの階層に分け、さらにそれを楽器のセットごとに分割して記録しています。MSBはこの階層を決定しLSBはセットを指定するイベントでどちらも0-127の数値で定義されています。自分自身が使ったことが無いのであまり詳しい説明はできませんが大体のイメージはこんな感じのハズ。 上記のコントロールチェンジ達にはチャンネル。イベント位置、コントロールナンバー、そしてその値(大体が0-127)が設定されています。
長々と書きましたが、今回のことを簡単にまとめると
・音量はボリュームチェンジ→ノートオンオフベロシティー→エクスプレッションの順で設定するといい。
・パンポッドで音を左右に振れる。
・SMFの音階はギターみたいなコードで表される事が多い。
・SMFの最小単位は四分音符の1/960。
・外部音源を使うための専用のコントロールチェンジがある。
の5行で済むという悲劇。シカタナイネ。
次やる時はエフェクト系のコントロールチェンジとピッチベンド、スペシャル当たりについて説明しようかしら。しっかし眠い。
では、次回の日記はロベルトさんにお願いします。これ以上の長文を書いてくれると期待してッ・・・ご愛読ありがとうございますた?
おいこらすてーろ。