2008/10/04

書いてる途中でgdgdになった





原因は時間を起きすぎたこと。




ぼ、僕がやるの?は、恥ずかしいな・・・。 あ、だ、大丈夫ですよ!これでも僕、教師ですから!! ええっと、それじゃあ・・・。 この物語は南家三姉妹+αの微妙な非日常を混沌と描くものです。過度な期待はしないでください。 それと、部屋は明るくしてディスプレイの輝度を落としてから見てください。 「こ、こんな感じかな。」 「無難だな。」 「優等生ね。」 「つまらん。」 「はぅぅ〜・・・。」 「ネ、ネギ君、落ち込まないでください。ほら、まだタイトルコールが残ってますよ。」 「あ、そ、そうでした!!え、え〜っと・・・。」

「ゴチャマゼクエスト『異邦見聞録』麻帆良学園都市・外伝裏・・・」

『みなみけ!!』

「もっと・・・馬鹿っぽく!!」 「いやネギ君、頼むから時系列だけは守ってくれ。」 「何の話?」 「原作の話だ。」 『???』 ********** +++チアキの場合+++ 「南トウマ?」 友人である内田と吉田からその名を聞かされ、チアキは首をかしげた。 「聞いたことないな・・・。」 「五年間一緒の学校にいて一度も気づかなかったんだ。」 黒板には『南冬馬』と書いてある。余談ではあるが、『冬馬』とは『かずま』と読むこともできるのである。 「じゃあ、せっかくだし、そいつを弟にするか。」 何がせっかくなのかよくわからないが、即決するチアキ。このあたり、南家の一員である。 「え、ちょ、ちょっと弟って・・・。」 内田が止めようとするが、チアキは聞く耳持たずに教室を出て行った。 ところ変わって5−1の教室。 「で、どこにいるんだ?」 何故か一緒についてきた内田たちに聞くチアキ。話が本当なら、ここに『南トウマ』がいるはずなのだが。 「え、えーっとね。」 内田と吉田は教室内を探す。 と、そこへ。 「何だとー!!」 雄たけびが聞こえた。つられてそちらを見る三人。 「ああ、いたいた。あの子よ。」 内田が説明する。 「ほぉ〜・・・。」 チアキが感嘆の息を漏らす。 凛々しい顔立ち。鋭い目つき。一歩も引かぬ意思が現れた姿勢。 それはなかなかかっこよく見えた。 ただ、スカートというのが若干マイナスか。いや、見るものによっては大幅な加点か。 そう、『南トウマ』は女子であった。 だがチアキ。 「なかなかの男前だな。」 「え、ひょっとして女って気づいてない?」 「弟にって言っちゃった手前、チアキはもう後には引けないんだよ。」 チアキの発言を受けてこそこそと内緒話をする内田と吉田。 そんなギャラリーをよそに『南トウマ』とそのクラスメイトの言い合いは続く。 「さっきから男って言ったり女って言ったり、どっちかはっきりしろ!!」 どうやら、クラスメイトが「女の癖に」と言ったのがきっかけで始まった言い争いらしい。 それを察したチアキは、興が殺がれたように立ち上がった。 「チ、チアキ?」 「教室に戻る。」 そう言って、きびすを返し歩き始めた。 と、そこへ。 どん。 「うわあぁぁぁ・・・。」 ばたん。 何が起こったのか。チアキの背後から、男子生徒が倒れたのである。 その男子生徒は先ほど『南トウマ』と言い争っていた生徒で、どうやら『南トウマ』に突き飛ばされたらしい。 そこに人がいたことに気づき、『南トウマ』は申し訳なさそうな表情になった。 チアキは起き上がり、振り返り。 「いてーじゃねーか、この馬鹿野郎。」 『南トウマ』を鋭くにらみ言った。それで、ちょっとうろたえる『南トウマ』。 「ごめんなさいは?」 「あ、え。」 その剣幕に一瞬押される。 「ごめんなさいは?」 「ご、ごめんなさい。」 だが、彼女は結構負けず嫌いな節がある。そういう態度でこられると反射的に対抗してしまうのだ。 「お前には礼儀を一から叩き込まなければいけないみたいだな。」 「はぁ?」 にらみ合う女子二人。だが、その気迫は男子の中でも屈強な連中すら引くほどである。 「お前、何月生まれだよ。」 チアキが言う。すると『南トウマ』は自信満々に。 「俺は4月」 「あー、待て。あれだ。誕生日の話はもう置いといて。」 旗色が悪い見るや否や、即話題をそらすチアキ。『南トウマ』は不満げな顔をしたが。 「私は南千秋。名前に秋を持つ女。秋の前に冬が来てみろ。冬眠前のリスたちにえさはなく・・・。」 「俺たちの事情にリスを巻き込むな!!」 チアキの話題そらしにすっかり乗ってしまうトウマ。 「いつまで馬鹿をやっている。この大馬鹿者ども。」 そんなときであった。幼い少女の声が二人を遮ったのは。 チアキはその声に聞き覚えがあった。しかもつい最近知った声だ。 恐る恐る声のした教卓の方を見てみる。 するとそこには。 「もう始業の鐘はなっている。チアキ、内田、吉田。貴様らは他のクラスだろう。とっとと教室に戻らんか。」 見た目自分たちと変わらない歳の、長い金髪の少女が立っていた。 『エヴァンジェリン!?」さん!?』 「先生だ、馬鹿者ども。」 それは紛れもなく、南家の居候の一人、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルだった。 彼女を知る三人は目を見開き口を金魚のようにパクパクさせ 「知り合いか?」 よく知らぬトウマは頭にクエスチョンマークを浮かべながらそう聞いた。 「何でエヴァンジェリンがここにいるんだよ!?しかも教卓の上に!?」 「教師だからに決まっているだろう。問答をしている時間ではないぞ、とっとと教室に戻らんか。・・・それとも、私の手で送って欲しいのか?」 エヴァンジェリンはそう言うと、目を細くした。その眼力にびびって内田は逃げ出し、吉田は後ずさりし、チアキは 「ぐ・・・、後で詳しく聞かせてもらうからな!!」 捨て台詞を吐いて逃げ出した。 「・・・なんだったんだ、あいつら?」 事情を知らぬトウマは、終始頭にクエスチョンマークを浮かべていた。 「どういうことなのか説明しろ。」 時と場所が変わって、昼休みの職員室である。チアキは単身、エヴァンジェリンの元へと乗り込んでいった。 「説明も何も、私は教師として雇われたからここにいるだけだ。」 激するチアキとは対照的に、エヴァンジェリンは至って冷静だ。それだけではく、小馬鹿にしたような笑いも浮かべている。 「そういうことじゃない!何で私たちと同じぐらいの歳のはずのお前が教師になってるんだ!!」 「貴様、私の話を聞いていなかったのか?私はあのメンバーの中で最年長と言ったはずだ。つまり23歳より上ということだぞ。教師をやるのに何の問題がある?」 それに、世の中例外もある。彼らのそばには10歳にして中学の教師をやっている天才少年もいるのだ。 「信じられるか!どう見たって10歳ぐらいじゃないか。」 チアキがエヴァンジェリンを信用できない点はそこなのだ。エヴァンジェリンはどう見ても10歳そこそこの少女だ。 それがロベルトよりも年上だなんて、誰が信じられようか。 だが、エヴァンジェリンは酷薄に笑って言う。 「私は吸血鬼の真祖だぞ。不死者だ。老化などという脆弱な人間と同じ現象が起こるわけがないだろう。」 チアキは目が点になった。 この世界において、彼女らは正体を隠す必要はない。いずれ去る身なのだから。 無用な騒ぎは起こしたくないから正体を触れ回ったりしていないが、必要とあればいつでも明かせる。 だが、チアキには頭のかわいそうな子だとしか思えなかった。 「そうか、エヴァンジェリン・・・。とうとう空想と現実の区別がつかなくなったのか。」 「違うわ!!」 つい突っ込みを入れるエヴァンジェリン。・・・咳払いを一つ。 「信じる信じないは貴様の勝手だ。だが、私がここで教壇の上に立っているというのは現実だ。 目の前の現実を見ないものと『吸血鬼』という人間からすれば荒唐無稽な話をするもの。さて、どちらが本当の『馬鹿野郎』かな?」 あざけるように言うエヴァンジェリン。それでカチンと来るチアキ。 「じゃあ、お前が吸血鬼じゃないっていう証拠を突きつけて、絶対ごめんなさいって言わせてやるからな。覚悟しとけ!!」 そう言って、鼻息荒く出て行くチアキ。 後に残されたエヴァンジェリンは 「・・・やつはもう少し利口なやつだと思ったんだがな。やれやれ、結局はとんだ大馬鹿者だな。」 そう言って、愉快そうに笑うのだった。 「調査の基本はまず聞き込みだ。」 「・・・なぁ、俺もやらなきゃいけないの?」 南家に向かって歩くチアキとトウマ。トウマは何故か巻き込まれてしまったようだ。 ちなみに、トウマは一度家に戻って荷物をおき服を着替えている。私服姿はほとんど男にしか見えない。 「うちにいる居候たちに話を聞く。それで話が一致しない場合、エヴァンジェリンの発言は嘘だってことになる。」 「だから、何で俺まで・・・。」 なおも愚痴るトウマに振り返り、チアキはその両の肩をつかむ。思わずびくっとするトウマ。 「お前は自分のクラス担任が自分のことを『吸血鬼だ』とか馬鹿なことを言っててもいいのか?」 「は、吸血鬼?」 何トチ狂ったこと言ってんの?と言わんばかりのトウマ。 「だからだ。お前も協力しろ。それでエヴァンジェリンの化けの皮をはがすんだ。」 「お、おう・・・?」 困惑するトウマ。――この場合、化けの皮をはがすという表現が正しいかどうかが疑問である。 「たのもー!!」 「おかえりー、チアキちゃん。」 家の扉を開けると、リビングからロベルトの声が返ってきた。自分の家に帰ってきて第一声が「たのもー」なところには一切突っ込みなしだ。 「お邪魔しまーす。」 チアキの後を着いていくトウマ。 リビングには男女一人ずつがいた。 「お、友達連れてきたんか。しかも新顔さんだねぇ。」 ロベルトがトウマを見て言いながら立ち上がる。 「初めまして。俺はこの家の居候のリーダー、ロベルト東雲です。気軽に話してくれ。」 言いながら右手を差し出すロベルト。 「あ、南トウマです。」 つられて右手を差し出すトウマ。その手を握りながら 「よろしくな、嬢ちゃん。」 ウィンク一つとともに言うロベルト。それで驚く三人。 「え、俺が女だってわかるの?」 「ん?どっからどう見たって女の子じゃん?」 こともなげに言うロベルト。だが、彼女は見た目男にしか見えない。 「そんな風に思うのはお前だけだ。どう見たって男じゃないか。あとトウマ、お前は私の弟なんだからあっさりばらすな。」 「だから何で弟なんだよ!!」 「ていうか、本当に女の子なの?」 と、今まで静観を保っていた女性が言った。 「その前に自己紹介だろ、アスナちゃん。」 「あ、そうだったわね!・・・コホン。初めまして。あたしは神楽坂明日菜。アスナでいいわよ。」 それで握手を交わす少女二人。 「それで、ほんとに女の子なの?」 「え、ああ、うん。」 バカレッドの勢いに押されるように、ちょっと後ずさるトウマ。 「・・・弟がいやなら俺の妹にしよっかな。」 「そういう問題じゃないだろ。ていうかお前が言うと犯罪くさく聞こえるぞ。」 「それを狙ってたんだZE☆」 チアキは軽く頭痛を覚えた。 「それで、私はお前たちに聞きたいことがある!!」 コタツに足を突っ込みながら、ロベルトの正面に座るチアキ。自動的に、トウマはアスナの対面に座ることになる。 そのアスナだが、トウマが女の子であるということがいまだに信じられない様子でジロジロ見ている。 そのせいで、トウマは少々居心地が悪かった。 「聞きたいこと?宿題は自分の手でやんなきゃだめだぞ?」 ロベルトは勉強から集中がそれているアスナに手で指示を出しながら、そう言った。アスナは「うっ」とうめいたが。 「私はいつも宿題は自分の手でやってる。カナと一緒にするな・・・ってそうじゃなくて!!」 一瞬ロベルトのノリに乗せられかけるチアキ。なんだかんだ言ってチアキもノリがいいのである。 それはともかくとして、本題を問うチアキ。 「今朝、トウマのクラスに言ったとき、トウマのクラスの担任がいつの間にかエヴァンジェリンになってたんだ。」 「あ〜、エヴァちゃん昨日職を見つけたって喜んでたなぁ。」 「いや、あれは喜んでたって言うかロベルトさんに見せつけてただけなんじゃ・・・?」 実際のところ彼女は『私だってやればできるのだ!見たか、ロベルト!!』と大層勝ち誇った笑みを浮かべていた。 まあそれに対するロベルトの反応が『うん、知ってた。てかもっと早くやる気だせよ。』とあっさりしていたので、その後は不満そうだったが。 チアキの話は続く。 「私たちと同じ歳ぐらいのはずのエヴァンジェリンが教師になれるはずがない!!そこで私は単身職員室へ乗り込みやつを問い詰めた・・・。」 「なあ、自己紹介のときエヴァちゃんが最年長だって言ったの、チアキちゃん聞いてたよな?」 もちろん聞いていた。信じていないだけだ。 「そうしたら!!あいつはこともあろうに自分のことを『吸血鬼』だなどと抜かしたんだ!!」 「え、そうだったのか?」 ぎょっとした表情で、トウマはチアキにたずねた。まあ、自分の担任が『吸血鬼』だと言っているのは、気持ちとしてはいいものではないだろう。 「そこで私は、やつが『吸血鬼』などではないという証拠を集めなければならない!そのための証言がほしいんだ!!」 「あ〜、つまりあれか?俺たちにエヴァちゃんは吸血鬼じゃないよと言ってほしいわけね?」 「そうだ!!」 鼻息荒く、チアキは頷いた。 それに反応したのはアスナだった。 「でもチアキちゃん、エヴァちゃんはマジの吸血鬼よ。この間聞いたけど、600年以上は生きてるって。」 「バカレッドは現実と妄想の区別がつかないんだな・・・。」 「ちょ、チアキちゃんまであたしのことそんな扱い!?」 だがチアキの反応は実に冷たかった。 で、再びロベルトに向き直り。 「どうなんだ!!」 体を前に乗り出し、強く聞いた。 だがロベルトはやる気なさげに、それはもうこれ以上ないほどやる気なさげに。 「エヴァチャンハ吸血鬼ジャナイデスヨ。ほら、これで満足か?」 そう言った。それで座りながら起用にこけるアスナとトウマ。 「まじめに答えろ!!」 「つったってチアキちゃん、俺がもし『エヴァちゃんは吸血鬼だ』っつっても信じないっしょ?」 「当たり前だ!吸血鬼なんているはずがない!!」 頑固一徹な表情。それでロベルトはため息をつく。 「したらまじめに答える気もなくなるってもんさ。どう答えても真実伝えらんないんだからね。」 ここで補足しておくと、元来ロベルトはあまり偽りの情報を伝えることを好まない。 時にはわざと誤情報を流して反応を楽しむことはあるが、こういう結構重大な情報に関しては偽らないのだ。 それは彼の『真実であること』に対する意思の表れなのかもしれない。 閑話休題。 「つまり、お前は私の質問に答える気はないと。」 「そういうこと。まあ、納得できる答えがほしいなら渚かネギ君のところにでも行きな。それならチアキちゃんも納得できるだろ?」 確かに、あの二人はチアキも認めている。 「それじゃあ、今から聞きに言ってくる!渚さんなら絶対、『そんなことありませんよ』って言ってくれるはずだ!!」 チアキは立ち上がり、勢いのままに 「あ、今は渚ファミレスのバイト中だしネギ君も警備員のバイト中だからくれぐれも邪魔しないように」 ロベルトの忠告すら聞かず、家を飛び出していってしまった。 「あ〜あ、行っちゃった。」 ロベルトは肩をすくめて、ため息を一つついた。 「あの、俺はどうすれば・・・。」 『あ。』 トウマはチアキに置いていかれていた。 今から追いかければ追いつくだろうが、内容が内容だけにそれも馬鹿らしい。 となると。 「よし、俺がもてなそう。」 そう言ってロベルトはポケットから仮契約パクティオーカードを取り出し・・・ 「てロベルトさん?何故に仮契約パクティオーカードを出しているのでしょうか?」 アスナが聞くが、その問いには答えず。 「来れアデアット。」 二刀包丁のアーティファクトを召喚する。 「ちょ、ちょっとロベルトさん!?」 「うわ、何だ今の!?」 当然驚くトウマ。 「くっくっく・・・、たっぷり可愛がっちゃるけん。」 べろりと、ロベルトはその包丁を嘗め回した。 ((怖!?ていうか何故に方言!?)) トウマとアスナは、その光景に戦慄した。 「あれ?よく考えれば魔法関係のものを見せればチアキちゃんも納得したんじゃ?」 「・・・アスナちゃん、深く考えたら負けだ。」 「何だかよくわかんないけど、俺、えらいところに来ちゃった気がする・・・。」 チアキは一人デパートに乗り込んでいた。そして早々にネギを見つける。 「あ、チアキさん。どうしたんですか?」 ネギはチアキを見つけるとにこりと笑い会釈した。 だがチアキは挨拶もせず、足早にネギに接近し。 がっ。 「って何で僕胸倉つかまれてるんですか!?何かしちゃいましたか僕!?」 「いいか、今から私が聞くことに『はい』か『Yes』で答えろ。」 「それ選択肢ありませんよ!?」 かなり理不尽だった。 「エヴァンジェリンは自分が吸血鬼などと抜かしているが、そんなことはないよな?そんなことはないんだな??やっぱり嘘だったんだな!?」 「えぅ、ま、マスターが!?ああああのそのそれはですね何と言うかあのそもそも僕魔法がバレるとオコジョで強制送還なんですどうか秘密にー!!?」 チアキの剣幕に押されたネギは、この世界が異世界であることすら忘れるぐらいにいい感じにテンパった。 ていうか盛大に自爆してるし。 「お前までそんな魔法だなんて子供じみたことを言うのか!?」 そしていい感じに食いつくチアキ。 「あああ、し、しまった!!こ、こうなったら・・・、魔法で記憶を消させてもらいます!!」 まるで麻帆良に来たばかりのときのアスナとのやり取りを焼き直しするかのように、混乱していく。 だが、あのときと今とで違うことがある。 即ち、ここはデパートであり。 人が大勢いるのである。 「魔法?」 「魔法ごっこかー。」 「そういうお年頃なのよ。」 「少年、キマってるぞー。」 etc... 「は、はぅ・・・ご、ごめんなさーい!!」 そのことに気づいたネギはMAXテンパり、全力で逃げ出した。 「あ、こら待てって速!?」 魔力で身体能力が底上げされたネギは、瞬く間にチアキの視界から消えてしまった。 「何だったんだ・・・アイツ。」 そして今度は、渚がアルバイトをしているファミレスまでやってきたチアキ。 「いらっしゃいませー・・・あら、チアキちゃんじゃないですか。」 店に入ってきたチアキの姿を確認して、渚はぱたぱたとやってきた。 「あれ、お一人ですか?他の皆さんと一緒じゃないんですか?」 そして彼女は、チアキ一人でここにいることに疑問符を浮かべた。 「あ、あの渚さん。つかぬことをお聞きしますが、エヴァンジェリンは吸血鬼なんですか?」 チアキは単刀直入に用件を伝えた。そして渚は驚いたように一瞬だけ目を見開き。 「あの、店長さん。すみませんが、少し休憩をいただいてもよろしいでしょうか?」 「ああ、古河さんならかまわないよ。ずっと働き通しだからね。」 奥に居る中年男性の許可を得て、チアキを連れて店の外に出た。 そしてそのまま人気のない場所まで歩き。 「な、渚さん?」 「いいですか、チアキちゃん。これから私が言うことはなるべく内緒にしておいてください。」 真剣な表情で、渚は告げた。そのあまりの真剣さに、チアキはつばを飲み込み頷いた。 「まず、私たちがこの世界の人間じゃないというのは、前にもお話しましたよね。」 「え、そ、それって本当だったんですか?」 チアキはその前提条件を与太話だと思っていたようだ。 だが渚は首を縦に振り。 「はい、私はここ以外にもいくつかの世界に行ったことがあります。ネギ君もアスナさんもエヴァンジェリンさんも、そんな世界で出会った大切な友達です。」 祈るように渚は目を瞑り、言葉を連ねる。 「そして、それは全て一人の人物のおかげで得られた出会いなんです。その人物というのが、ロベルトさんです。」 「ロベルト・・・あいつは何者なんですか?」 「ロベルトさんは、『幻想世界』という世界の創造主の分身、『影』です。」 話が飛躍しすぎて、チアキの理解が追いつかない。だが、渚はそれを理解したうえで話をしているのだ。 「だから私たちは世界を渡り歩ける――私の知る限り、それはロベルトさんにしかできないことです。チアキちゃんが信じられないのも無理はないと思います。 それで話を戻しますが、ネギ君たちが居た世界は魔法が存在し、また空想の魔物も存在していました。だから、エヴァンジェリンさんが吸血鬼というのは、事実なんです。」 それは、『エヴァンジェリンが吸血鬼ではない』ということへの明確な否定。 チアキはショックを隠せなかった。 「あの、すぐには信じられないとは思いますが、これは全て真実なんです。特にエヴァンジェリンさんは、子供扱いされるのが凄く嫌いなんです。 だから、エヴァンジェリンさんのことを信じてあげてください。・・・上手く説明できなくてごめんなさい。」 しゅんとうなだれる渚。元来、彼女はそこまで口達者な方ではない。この過酷な旅を経て随分と肉体・精神ともに強くなってはいるが。 そしてしばしショックを受けていたチアキではあったが、自分の中で常識と目の前の現実に折り合いをつけ。 「・・・わかりました。信じます、渚さん。」 「・・・チアキちゃん。」 わかってくれた。そう思い、渚は安堵のため息をついた。 「ロベルトとエヴァンジェリンは常識が通じないほどの馬鹿野郎なんですね。」 「・・・そ、そういうわけでは。」 かなりずれた折り合いのつけかたではあったが。 その後、チアキは渚と別れ(渚はまだ仕事中)、一人帰路についた。 「ただいま〜。」 そして家の中に入り。 何だか香ばしい匂いがしていることに気がついた。 居間の扉を開けると。 「おう、おふぁえい(おかえり)。」 口いっぱいにホットケーキ(抹茶風味)を口にくわえているロベルトが迎えた。 見れば、アスナとトウマも同じものを食べていた。 「おい、チアキ!この人たちすげえな!!異世界からきたんだって!?」 トウマは感動の面持ちでそう言った。 「う〜ん、ここまであっさり信じてもらえるとは思ってなかったわ・・・。」 「おまけにエヴァンジェリンって600年も生きてる吸血鬼の『しんそ』ってやつらしいぞ!知ってたか!?」 「飲み込みが速いのはいいことだ。」 どうやら、トウマはあっという間にロベルトたちの存在を受け入れてしまったようだ。 だが、チアキはだん、とコタツをたたき。 「違う!こいつらは一切の常識が通用しないほどの馬鹿野郎だ!!」 そう言った。 そんなチアキをロベルトは引きつった表情で見て。 「・・・なあ、チアキちゃん。渚から話聞いたんだよな。何故にそんな結論に?」 「渚さんは優しいからな。お前たちに話を合わせてくれたんだ!!そうに違いない!!」 自信満々にチアキは宣言した。 ロベルトはそれで頭を抱えてしまった。 ダメだこりゃ、と。 その晩、チアキがエヴァンジェリンの前で同じことを言ったら、エヴァンジェリンは大層憤慨した。 『ふざけるなー!!』と叫びながら無詠唱魔法の射手サギタ・マギカを乱れうちしだし、ロベルトが体を張ってそれを止める羽目になった。 まじめで一直線な人が勘違いをすると、大騒ぎになるというお話。
おまけ チアキが出て行った後の三人。 ロ「で、包丁出したはいいけど、正直ホットケーキ作るのに包丁いらないよね。」 ア「じゃ、何で出したのよ!?」 ロ「ノリ?」 ト「ダメだこいつら・・・早く何とかしないと。」



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