2008/07/14
突発的に思いつくネタ
ネタの出方にムラがあるから困る。
え?私がやるんですか?
でも、私なんかでいいんでしょうか・・・。だってこれは一応みなみけ・・・。
わ、わかりましたわかりましたから、チアキちゃんのホイップには手を出さないでください!!
え、え〜、こほん。それでは・・・。
この物語は南家三姉妹+αの微妙な非日常を混沌と描くものです。でも、過度な期待はしないでくださいね。
それと、部屋は明るくしてディスプレイの輝度を落としてから見てください。
「こ、こんな感じでいいですか?」
「不満は残るがしょうがない。」
「ていうか、渚さんに迷惑かけるなと言っているだろう、この至高の馬鹿野郎!!」
「ぐは!懐かしい響き!?・・・まあともかく、それじゃ、タイトルコール、渚よろしく。」
「は、はい!!え〜っと・・・」
「ゴチャマゼクエスト『異邦見聞録』麻帆良学園都市・外伝裏・・・」
『みなみけ!!』
「はじまります♪」
「ハ、ハルカ!おいしいところを!!」
**********
+++ネギの場合+++
前回の話から紆余曲折を経て、デパートの警備員を任されたネギ君。
警備員として頼りないというなかれ。彼は10歳ではあるにしろ、『立派な魔法使い』を目指す将来有望な魔法使いなのだ。
闇の福音ことエヴァンジェリンの過酷な修行の元、彼の戦闘能力は現在うなぎのぼり中である。
ちなみに、彼は魔法以外に近接戦用に中国拳法を習い、また彼が兄と慕うロベルトの我流掌技を見よう見まねで使っている。
まあ、警備員の仕事の一つである『犯罪の未然の抑止』というところは、彼の容姿の可愛らしさもあいまって、まるで果たせていないが。
そんな彼であるが、現在――
「僕、どこから来たのー?」
「子供なのに働いてるんだー、偉いねー。」
「お姉ちゃんが可愛がってあげるから、こっちにこよー?」
「あぶぶ、あの、ぼ、僕仕事中ですから!!」
女性の服を売っているフロアを見回っている。見回っているったら見回っているのである。
「ふう、大変だったなぁ・・・。」
しばし女性にもみくちゃにされた後、彼は何とか大脱出を果たした。
どの世界にいようとも、彼の扱いは同じである。すなわち、女性からおもちゃにされる。
それが彼の世界の男性の宿命である。
「世界って、どこも一緒なんだな〜。」
見回りをしながら、彼はあたりを見ていった。
それは仕方ない話だ。ここも麻帆良も同じ『日本』なのだから。
ただ、この世界には『魔法』という不思議は存在しない。そこが明確な違いだ。
「それにしても、麻帆良は学生さんが多かったけど、ここは本当に色んな人がいるなぁ。」
まあ、学園ではないし、老若男女取り混ぜているのは当然だ。むしろ、こちらが普通なのだが。
彼は日本では空港と麻帆良、京都ぐらいしか見ていないのだ。無理もない。
「人を見てるのも案外面白いかも・・・ん?」
そうやって、人間ウォッチングをしていると、二人組の少女が目に付いた。
片方は髪を腰まで伸ばした少女。もう片方は、髪が肩ぐらいまでの可愛らしい少女だ。
両方とも小学生ぐらいだろうか。どうやら、服を買いに来たようだ。
「そう言えば異世界に行ったって事、アーニャとかにも教えてあげようかな。」
彼はそれで故郷の幼馴染を思い出したようだ。驚くだろうか、羨ましがるだろうか。
彼は想像を膨らませ楽しむ。
と、少女らの目線がある一点で止まる。ネギもつられてそちらに目をやれば。
下着売り場だった。ネギはあわてて目をそらす。
(うわわわわ!!?見ちゃだめ、見ちゃだめだ!英国紳士として!!)
自身を落ち着かせるため、心の中で「英国紳士」を繰り返す。
それで落ち着くと、あれ?と思う。
「さっきの人達、ああいうのを使うにはまだ成長が足りないんじゃ?」
結構失礼なことだが事実であることに気がついた。
と、彼女らに見知った人物が話しかけていた。
「ハルカさん!」
「あら、ネギ君。こんなところでどうしたの?」
それは、彼らがお世話になっている南家の長女・南ハルカであった。
ちなみに、ネギはハルカに何か親近感のようなものを感じている。まあ、中の人同じだしね。
「はい、今日からここで警備員のアルバイトをすることになったんです!!」
まぁ、と驚くハルカ。そりゃ、見た感じ小学生の男の子が警備員やるとか言ったら驚くだろう。
「大丈夫なの?」
「はい、僕鍛えているんで!!」
と言って力こぶを作るネギ。その図はなかなかほほえましい。
「ねぇ、ハルカちゃん。この子、知り合い?」
と、置いてけぼりになっていた片方の少女がネギを指していった。
それでハルカは、少女らにネギを紹介する必要があることに気がついた。
「ああ、ごめんね内田ちゃん、マコちゃん。この子はネギ君。この間からうちに泊まってる子なの。」
「ネギ=スプリングフィールドです。」
よろしくお願いします、と頭を下げるネギ。
「あ、ご丁寧にどうも。内田ユカです。」
「ま、マコちゃんです・・・。」
長い髪の方――内田はつられてお辞儀し、短い髪の方――マコちゃんは、何だかモジモジしながら言った。
「それで、内田ちゃんとマコちゃんはここで何をしていたの?」
「え、え〜っと・・・。」
二人は言いづらそうに視線を一箇所に向ける。
下着売り場の一角。そこに売られているものは。
ブラジャー。
「あ、そ、そうよね!あなたたちも必要になってくるわよね!!」
ハルカが顔を赤くしながらあわててまくし立てる。
「あ、でもお二人ともまだ必要ないんじゃ・・・あ、すみません!!」
ネギが先ほどの疑問を口にしてから、自分の言葉が失礼なものであると気づいた。
なかなかうかつである。
「あ、いいのよ、気にしないで!うん!!」
内田が何かをごまかすように大慌てで言う。
「いえ、そんな。僕が悪いんですから。謝らせてください!!」
なおも食い下がるネギ。妙な図である。
「い、いいんだってば!!ほら、マコちゃんも何か言って!!」
「え、俺?」
突然話を振られ、困惑するマコちゃん。
が、それを聞きとがめるネギ。
「『俺』?」
それでビクリとする二人。
『みなみけ』を知る方ならご存知だろう。
マコちゃん――マコトは、チアキの同級生であり、立派な男である。
ただし、その女顔と女物の服が似合いすぎるという事実のため、気づく人間はまずいない。
口調が男っぽい女の子と思われているのである。のだが・・・。
二人はあせった。内心ここから逃げ出したい気持ちでいっぱいだ。
だが、それは許されないのである。
「あの、あなた・・・」
ネギが口を開く。
――バレたか!!
内心覚悟を決める二人。
「駄目ですよ、女の子が『俺』なんて言っちゃ!!」
だが、ネギの口から出てきた言葉は、予想に反したものだった。
『・・・へ?』
「女の子なんだから、『俺』なんて乱暴な言葉使いは感心しませんよ。せっかく可愛いのに。」
元の職業である教師で培った(まあ、効果を発揮したことはほぼないのだが)説教力をもって、マコト――マコちゃんに説くネギ。
ついでにほめることも忘れない。そこんとこは英国紳士である。
「え、いやそんな、俺はそんなに可愛くなんて・・・」
「ほらまた。自信を持ってください。あなたはとても可愛らしいですよ。」
追い討ちをかけるネギ君。
実際、男が可愛いといわれても尊厳とか色々なものがぶっ飛ぶのだが、そこは愛すべきアホの子、マコちゃんである。
「そ、そうかな・・・。」
「はい、僕が保証します!!」
顔を赤く染めて、ちょっと嬉しそうである。
「これから少しずつ気をつけてくださいね。僕、応援しますから。」
「は、はい・・・。」
・・・ネギ君が妙なフラグを立ててしまった気がしないでもないが、気にしたら負けだ。負けなのである。
その後、ネギ君は仕事に戻り、ハルカは去っていった。
あとに残される内田とマコちゃん。
「内田・・・俺、ううん、私決めた。」
「・・・聞くの怖いけど、何?」
マコちゃんは目をキラキラさせて、言った。
「私、女らしくなる!!」
内田は、遠い目で遠くの世界へ(いやむしろ近くの世界へ)いってしまった友人を見た。
〜〜〜後日談〜〜〜
翌日、チアキが登校すると。
「おはよう、チアキちゃん!!」
「ん、ああ、おはよ・・・う・・・?」
チアキは挨拶をされたので、挨拶を返したのだが、今の人物は?
声のした方を見れば、そこにいるのは馬鹿野郎ことマコト。
だが、しぐさがなんかやたら女っぽい。
談笑する姿も女っぽい。
ていうか、今自分のこと「私」って言った。
「・・・なあ、あいつなんか悪いものでも食べたか?」
「聞かないで!お願いだから私に聞かないで!!私には何も見えない聞こえない!!」
近くに座る友人に聞いてみたが、友人はただ机に突っ伏し耳を覆うばかりだった。
「待っててね、ネギ君!!絶対に女らしくなってやるわ!!」
同時刻、ネギは寒気を覚えた。あたりを見回すが、特になにもない。
気のせいかと思い、再び警備の仕事を続けるのだった。
自分の貞操が、男に狙われているとも気づかずに。
マコちゃんファンの皆様、ごめんなさい。
TOPに戻る